コンバートの効用
ポジションを変えるコンバートに関して、その効用について私の意見を述べたいと思います。
一般的にコンバートと言うと、
・年齢による身体能力の衰えから、より体の負担が掛からないポジションに変更する。
・出場機会を増やすために、致し方なく内野手が外野に回る。
という具合にネガティブな理由でコンバートが行われることが多いと考えられていると思います。
しかし、コンバートはポジティブな理由で行われる場合もあると思います。
最近のプロ野球で行われたポジティブなコンバートと言うと、中日の落合監督時代の荒木選手と井端選手のコンバートが挙げられると思います。
落合監督はこのコンバートを行った理由の一つに、「井端選手と荒木選手の守備の意識を高め、より高い目標を持ってもらう」とおっしゃっております。
この意味を私なりに解釈したことは、「相手の立場に立つことで、より連携作業の質を高められる」という事です。
セカンドとショートはとりわけ連携の重要性が高いポジションです。
例えば、ゲッツーを取るときなどは正にそれに当たります。
セカンド→ショート→ファーストと言う順番にボールを回す場合、セカンドがショートにどのようなボール(位置やスピード等)を送球するかが重要になります。
セカンドしか経験がない選手では、どんなボールが送球されるとショートの選手が次の送球動作を行いやすいかわかりません。
しかし、セカンドの選手がショートにコンバートされることで、セカンドからどのような送球が来ると次の送球動作が行いやすいか分かります。
このようにセカンドとショートがお互い入れ替わることで、お互いに相手にどのようにしてほしいかが理解出来ることこそが、お互いのレベルアップに繋がると考えられます。
このようなコンバートによる効果は野球に限った話ではなく、一般企業内での配置転換でも当てはまると考えられます。
例えば、設計者から製造現場に送る書類がある場合、設計者が製造現場を経験したことがあれば、この書類にどんな内容を記載すれば正確に情報が伝わるか分かると思います。これによって、会社内の情報伝達がより円滑になります。
コンバートの効用とは相手の立場に立つことで、チーム内でより最適な連携作業を行えるようになることです。